予後を見据えながら、患者さんの想いを取り入れた治療方針と患者さんから学ぶ事
入間市で歯周病治療に力を入れている水村歯科医院です。
今年も残り僅かになりました。
以前のブログにもいくつもアップロードしていますが、入間市で開業している私のクリニックの開業時から将来に至るまで変わらぬ想いと、患者さんから学んだ本当の医療とは何かをお話しさせて頂きます。
開業して30数年あまり、遠方の患者さんも多数来院されます。入間市内は当然の如く東京都内、東村山、東大和市、志木市、所沢、飯能市、川越市、狭山市、青梅市、坂戸市、鶴ヶ島市、秩父市、都幾川村、越生町、日高市、引っ越し後の福岡等、遠くはドイツのケルン、カナダのバンクーバー、タイ等、(メールでのやり取りの後、来日)あげれば限がありません 。
微力ながら地域医療に貢献できたのではないかとか思っています。
医者に神様は居るわけがありません。ですから100%の成功ってあるとは思いません。
どんなに大きな病院の世界的権威の専門医多数が治療にあたっても寿命を迎えてしまう患者さんは沢山います。
私のクリニックでは、悪くなることを前提で治療にあたってはいませんが、将来的に予後が(これから先の状態)悪くなっても再治療が出来るように治療を進めています。
長い目でみると、それは患者さんにとって、負担、苦痛が少ないのです。
最近、数件の歯科医院で様子を見ましょうと言われ、治療してもらえなかったと来院する患者さんが多いです。
そんな症例では確かにレントゲン撮影し、診査診断すると、多くの先生はそう言うだろうなと思うし、私もそう思っても自然だと考えます。
皆さん判りますか、治療しなければ治らないのです。
そんな時、責任は取れませんが、この方法ならば良くなる可能性がありますが、どうしたらよいか考えて下さいと丁寧に説明します。
今まで失敗は一回もありませんが、かなりのリスクを伴なうんです。その処置は治らない、難易度が高いから多くの先生は治療を避けたいんです。
そんな患者さんに、いずれダメになるかもしれません。それが1週間後か半年後か5年後かは誰にも判りません。
ダメになるまでの期間、しっかり噛めて幸せになれるならその方が良いと思いませんかと話します。
例えば、前歯の根の治療が出来ない(金属の深い土台が入っていてそれを除去する事が不可能)。前歯を抜いたら入れ歯です。見た目と嚙み合わせ考えたら、抜かない、抜きたくないはずです。
私が逆の立場だったら、後者の治療を選択します。(歯を脱がずに治療する)
患者さんが苦痛を伴う治療法は、徐々に少ない方向にシフトしました。
余談ですが、医療は科学なんです、感で行ってはいけません。(診断名が判らないのに治療してはいけません)必ず、失敗、ミス、いつまでも治らない事が起こります。それは診断名が違うと必然的に治療法も違ってくるんです。
私のクリニックもそうですが、感を使えるのは、15年以上の確かな臨床経験があるドクター達のみなんです。
何故かというと、15年の臨床経験があれば、15年前に自分が治療した状態、結果(治療成果、治療効果)を知ることが出来るのです。
そうでなければ、自分が治療した10年後の治療結果を予測出来ず、知らないまま淡々と治療が進んでいくのです。(今の治療法が将来的に正しいのかが予測や判断ができないのです)
何回通っても治らない、麻酔が多い、入れ歯作ったが痛い、噛めないから入れてない、抜かないで治療して欲しい等々。
入間市で開業当初からそんな想いがあり、数えきれない沢山のセミナー講習会に参加し、患者さんが苦痛ない治療法として、削らないで虫歯が治る治療法、ドッグベストセメント治療やコールドレーザー、光殺菌システムペリオウェイブ等のライセンスを取得し、今、患者さんに還元し抜群の効果を発揮し感謝されています。
因みに、セミナー参加し、その中で患者さんには還元できない(治療法として取り入れたくない)ものも沢山ありました。
最新の治療法、機器、器材だから良いとは限りません。
そんな中、20余年前に治療したブリッジが取れたと連絡あり遠方から20余年ぶりに来院された患者さんです。
20年も経過すれば、歯肉は退縮していましたが、根の状態は良く全く問題ありませんでした。被せたブリッジもお手入れ出来ていて綺麗な状態でした。
20年前に私の施した治療が正しく正確で間違っていないと確信できた事が、非常に嬉しかったです。
これが、先程話した経験値なのです。(私のクリニックでは、治療後5年経過の評価では、短いと考えます)
100%ではありませんが、医療を基本的、基礎的、理論的に行えば、治療効果は上がります。
言葉では簡単ですが、長期の学習、毎日の自己研鑽は必須でこの努力で基礎知識を身につけたドクター達がスタートラインに立てる資格があると常々思っております。
私の周辺には、そんな尊敬するドクターが多数いるので、自分も切磋琢磨しています。
下記の写真は2年前に厳しい状況(口腔内)で来院された患者さんです。
残りの歯がもたないので抜歯を提案しましたが、入れ歯もやだ。何とかならないかとの事でした。
このブリッジは理論的には無理(もたない)でしたが、本人の強い希望を尊重し、出来るだけの治療を駆使した結果、グラグラだった多数歯を1本も抜かずブリッジにして、6ヶ月後には全くグラグラが無くなり、前歯でしっかり噛める様になりました。
デジタルレントゲン撮影で確認すると、骨が再生(骨が出来てくる事)されていました。人工骨の補填はしていませんから、これは奇跡に近い成功例です。
患者さんと共に決して諦めずに治療を進めた成果がでました。この患者さんから沢山の事を学びました。理論的、経験共にホープレスと思っていた歯を残せたという事実、人の持っている免疫力です。
今後は、100人のドクターが諦めた患者さんでも、1%の成功に賭けてみる事の大事さを、患者さんから学びました。
今回は、患者さんと共に、学び成長した、入間市で歯周病治療に力を入れて水村歯科医院の開業から変わらぬ想いを綴りました。
師走の診療もまだ2週間ありますが、入間市で開業している水村歯科医院は、来院された全ての患者さんに、感謝、喜んで頂ける様、来年も地域医療に貢献していきます。
かなり早いですが、年末のご挨拶をさせていただきました。